どうもご無沙汰しております。現在冬コミに向けて進撃中のためとりいそぎ用件のみ。冬コミでは「あかつき」本をだしますよ(予定)。空自F-Xのネタも少しくらい触れたいところでしたが・・・。
さて既にご存じの方も多いと思いますが、来年度予算において「はやぶさ」の後継機である「はやぶさ2」は大幅な予算削減の方向で動いているとの報道が各所でなされています。
□小惑星探査機はやぶさHP
・はやぶさ後継機に関する予算の状況について
http://www.muses-c.isas.ac.jp/j/index.html
□松浦晋也のL/D
・はやぶさ2予算の危機について
http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/2011/12/2-e8f0.html
かいつまんで解説をしてしまえば、
・「はやぶさ2」は予算がカットされてこのままでは2014年に打上げが出来ない。
・2014年打ちあげが出来なければ「はやぶさ2」は意味がない。
・次のチャンスは2026年。しかしその頃には関係者も技術も霧散してしまう。
・それはつまり小惑星探査ミッションそのものが日本から無くなる。
日本の衛星では予算削減の煽りを受けて打ちあげを年単位で後ろにずらされる、というのはよくある話。例えば、「あかつき」や「かぐや」、それどころか過去は「ひまわり」ですら打ちあげギリギリの予算が付いていた時代もあります。なのになぜ「はやぶさ」だけがこうして予算カットで取りざたされるかというと、2014年に打上げないと探査機が小惑星に届かず、研究そのものが続けられなくなってしまうから。
とはいえ、「ならば「はやぶさ」に増額すればいいではないか」という簡単な話でもありません。特に現在は失われて不在となった地球観測衛星「だいち」の後継機も速やかに打上げねばなりません(これだって後継衛星を予算化できていなかったのが原因なのですが・・・)。開発が走り出した「はやぶさ2」の70億円という予算は決して小さくありません。ここで使われた分、もちろん他の衛星が割を食うわけです。
ですから国民としては、まずは来年度の予算で何に”投資”すればよいか?そこから考えなければなりません。
家計簿レベルの話でも同じ事が言えますが、出ていくお金をいくら削ってもそれだけでは前へ進めません。それが分かっているから誰もが子供に高い学費をかけて進学させるのです。高校と大学で7年間、かかる費用は馬鹿になりませんがそれを無駄だという人はいません。それは「はやぶさ」の様な20年先を見据えた技術開発も同様です。特に「はやぶさ」は、今になってアメリカが数倍の予算をかけて後追いでプロジェクトを立ち上げるほどの将来性のある案件です。
30年たてば国の産業はがらりと変わってしまいます。だからこそ来るべき30年後を見据えて今のウチから種を蒔いておかなければならないのです。
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