「しずく」衛星の打上げの成功と、スペースX社/ドラゴン宇宙船の打上げのまさかのカウントダウン”0秒”アボートを経て宇宙週間もいよいよ終盤となりました。来週月曜日5月21日は金環日食が待っています。簡単に解説・・・というほど詳しくないのですが個人的勉強もかねてご案内。
今回、アストロアーツ様より金環日食プレスキット一式と月刊星ナビ5月号増刊「金環日食を見る」を頂きました。ありがとうございました。もう少し早くこのエントリーが作成できれば通販などのご紹介も出来たのですが、ご紹介が遅れて大変申し訳ないです。
では本題。そもそも日食とは太陽--月--地球が一色線に並ぶことで、太陽が月の後ろに隠れてしまうこと。このとき月の背後に太陽がはみ出しリング上に観測できることから”金環日食”と呼ぶそうです。今回この現象が大騒ぎになっているのは、25年振りの天体現象ということもさることながら、日本の人口の約7割が移動することなくこの現象を観測できる条件にあるからです。
食の開始は東京であれば5月21日06時19分。最大になるのが07時34分、食の終わりが09時02分。これを基準に考えると西の方が微妙に早く東に行くにつれて食の開始が遅くなります。安全のため道路から離れ、なおかつこの時間帯は太陽の高度が低いので東側が開けている場所での観察がベターです。
これほどの天文イベントでありながら、金環日食観測について語る人々は何故か皆さん、眉にしわが寄っています(特に私のtwitterのTLとか・・・)。それは観測対象が太陽であり、観測手段を一歩間違えると失明の危険が有るから。基本的には専用の日食観測プレートを目の前にかざした状態で観測すれば問題ありません(ただし1~2分を越えて見続けるのは良くないです)。
しかし知識の無い人がカメラや双眼鏡を持ち出してくると、リスクは格段に跳ね上がります。望遠鏡やカメラなどの光学観測機器とは別の言い方をすれば”光を集める”為の機械です。つまりヘタな観測では、一度は誰もが経験する虫眼鏡を太陽にかざして紙を燃やす実験、あれがそのまま自分の眼球上で再現されてしまいます。とにかく撮影したい。もしくは望遠鏡で高倍率での観測をしたい人は、自己流で挑戦するのでなく安全のための下調べを十分に行ってください。
以下観測のための注意点。
1:日食観測プレートについて
・日食観測専用の物を使ってください。一部粗悪品も出回っているとのことなので、事前に蛍光灯をプレートで観測して、ハッキリ蛍光灯の形の分かる製品(つまり光を通し過ぎる製品)は使わないでください。すすガラス、ポテトの袋、サングラス、黒い下敷き、カメラのNDフィルタなど、全てNGです。日食観測用のプレートも1~2分見たら、必ず1分以上休憩してください。
2:撮影/望遠鏡観測について
・自己流は厳禁です。観測プレートをかけていてもそのまま望遠鏡で太陽を覗いたら目玉が焼けます。カメラに専用のフィルタを付けた場合でも光学ファインダーを覗いてはいけません。
3:観測場所など
・運転中/歩行中に上を見上げ注意力が散漫になる人もいるでしょう。通勤時間で人も多いので事故などに巻き込まれないように注意してください。
細かい注意点は上記の<Astroarts>安全に観測するための注意点を確認してください。折角の天文イベントなんですからあまり口うるさい事言ってテンション下げるのもな・・・とも思いますが、視力を失ってからでは遅いのです。
※最後にノーリスク+道具無しでも出来る、こういう観測方法もあるんです→■ 。
最大食の継続時間は5分近くあるので、是非おためしあれ。
それではみなさま、良い観測を( ̄Д ̄)ノ
---<参考>---
・<消費者庁>日食観察用グラスの使用についての注意喚起(製品の確認結果)-pdf-