色々きゅうきゅうになってきましたが久しぶりに独り言を。
いつの間にか日阪先生の新作が出てた。買わねば!
さて、あとはどうせそのころには忙しくて語れないであろう「いぶき」の話でも。
来年頭に打ち上げられる、地球観測衛星「いぶき(GOSAT)」。「かぐや」や「はやぶさ」の様に「あなたの名前を○○に!」というキャンペーンがないのでいまいち盛り上がりに欠けますが、それでも一年ぶりの打ち上げです。
4メートルフェアリング、追加ブースターなし。H-ⅡAのなかでも一番シンプルな202構成、加えてLE-7A、LE-5B2エンジンにSRB-A3というのは、いままでの打ち上げの中で一番安心して見ていられる機体なのではないかと思います。
「いぶき」は温室効果ガス観測技術衛星の名のごとく、地球上の温暖化促進ガスを観測する衛星。これまでは地球各所の計260地点での観測しか出来なかったものが「いぶき」の登場により、一挙に56000カ所の観測が可能になります。しかもこれまでと違い同一条件、同一センサでの観測になるのでその精度は飛躍的に向上するはずです。地上のパイプラインのガス漏れをキロメートル単位で検知できる能力を持ち、こうした活動で押さえられた温室効果ガスの排出は日本のポイントに加算されると聞きますから、配備に付いたら意外に「いぶき」の名を耳にする機会は多いかもしれません。
「いぶき」はその任務の分かりにくさもあって地味な印象を持ちますが、個人的にはとても楽しみどころの多い衛星です。京都議定書に絡んだ温暖化促進ガスの排出削減は日本が世界に約束した公約で有りますが、「いぶき」はその審判役という重責を担っています。公約達成に向けて、「いぶき」による軌道上からの定期的な観測は必要不可欠なもので、5年に渡る「第一約束期間(2008-2012)」中の観測に万が一穴を開けることがないように、彼女には徹底的な不沈対策がとられています。
まず特徴的なのは、中型の船体に、単一目的のセンサを積んだシンプルなミッションであること。その船体には新規技術を使わず安定した技術を使うことで確実な運用を目指しています。さらに電源系を含んだすべての機器を二重に配置し、船体にいかなるトラブルが発生しても最低限の観測が行えるように配慮され、その徹底ぶりは通常なら一翼ですむ太陽電池パドルを左右両翼に装備するに至っています。姿勢制御用のスラスタも小分けして分散配置をされたり、観測機器自体をも二重化するなど、世界的にも例がないほどの徹底的な冗長系が組まれています。
「観測衛星は許可なく死ぬことを許されない」、という感じでしょうか。
そうそう冗長系と言えば、何はなくともリアクションホイールなんですが、平成18年の資料を読む限りでは国産の新型を使うとのこと。ベアリングの歩留まりとかどうなったのでしょうかね。
んで衛星のデザイン(外見)的にも凄く面白いのですが・・・
って長くなりました。以下次回の更新で。
何が言いたいかというと「いぶきたん」を描いたので見てね、ということでした。
それでは。