本来ならば今回は先日出版された「月のかぐや」についてのエントリーだったはずなのですが、臨時ニュースが入って参りましたので予定を変更してお送りしています。
・小惑星探査機「はやぶさ」イオンエンジン異常について
http://www.jaxa.jp/press/2009/11/20091109_hayabusa_j.html
「はやぶさ」に搭載されているイオンエンジン「μ10(ミューテン)」のウチ一基が停止したというニュース。「はやぶさ」には4基のイオンエンジン(スラスタA~D)が搭載されています。ニュース中では11月4日にスラスタDが自動停止、その後復旧に至っていないとのこと。「はやぶさ」はこれまでの航海の間に二基のスラスタ(AB)が劣化や不調のために使用を停止しており、今回のトラブルにより使えるエンジンはスラスタC一基のみとなってしまったのです。
ですが残るスラスタCもすでに性能の劣化を起こしていることから、このスラスタに頼り切ることも大変にリスクが大きく、地球帰還の可能性が大きく揺らいでいるというのが現状です。
以下「はやぶさ」の細かい現状を押さえているわけではないので想像を含めての話ですが、とりあえずは通信自体が途切れているという報道はないので、姿勢の制御自体は出来ているようですね。「はやぶさ」は緊急時には太陽電池を太陽方向に向けながらスピン衛星のように船体を回転させることで姿勢を安定させるモードを持ってますし、エンジンのキセノン生ガス噴射による姿勢制御機能も残ってますから、通信途絶に陥る可能性が少ないのがまだまだ救いといえば救い。
「はやぶさ・通信」といえば電波のオンオフに意味を持たせて通信を行う「1ビット通信」機能が有名なのですが、「はやぶさ」の場合にはビーコン波の強度を変化させることでモールスのように情報を乗せられるようになってるので「のぞみ」の時よりも多くの情報のやりとりが出来るようになっていて、通信の細い時には日常的に使われているようです。現時点では唯一残っているZ軸リアクションホイールが機能停止しても姿勢制御が可能なプログラムがアップロードされるなど、最悪に備えた準備も色々されてきて来てるので絶望を語るにはまだまだ早い、今は続報をひたすら待つしかありません。
11月5日現在の「はやぶさ」と地球の距離、159,636,050km。まだまだ遠いなあ・・・。
ううう、この子にはどれただけ
泣かされるんだろう。もう壮絶というか
なんというか。
頼むから戻ってきて欲しいです。
そして関係スタッフもがんばれ!
投稿情報: SLF | 2009/11/20 16:02
噴射再開の続報きましたね。流石JAXA(ISAS)。
いやもうどこのマンガだよ!って展開ですね。
今後も予断を許さないでしょうが、なんとか帰還してほしいところです。
投稿情報: 紙谷 | 2009/11/20 09:13