H-IIA21号機打ち上げ解説、第二回です。実は4夜に分けて解説をするつもりだったのですが、いつのまにか日程を覚え違いしていてて、気がついたら打上げが目の前でどうにも間に合いそうもありません。悔しいので本日2回目の更新です。
【H-IIA_Flight21・ここに注目(その2)】「A-Train」
■地球上では様々な自然現象が発生し、地球観測衛星は日夜その振る舞いを観察しています。例えば地球で発生する竜巻や地震火山の噴火、こうした現象を観察するときに多くのセンサで同時に観察すると様々なことが立体的に把握できます。しかし一機の衛星に観測装置を山のように積むと、加速度的にコストとリスクも増えていきます。そこでアメリカ人は考えました。沢山の人工衛星を同じ軌道に一列に並べて次から次へと同一地域を観測させればいいじゃないかと。これがA-TRAINと呼ばれる地球観測構想です。
高度690kmを飛行するこの宇宙鉄道には現在4機の衛星が加入。本当は7機になるはずだったのですが、1機は計画から離脱して、2機は打上げに失敗してお星様になりました。
「しずく」はこの衛星隊列の先頭に配置されてA-Trainの一員として国際的な共同観測任務にあたります。
・今回の打上げで注目すべき点の一つは、このA-Trainへの軌道投入です。「しずく」は
まずロケットによってA-Train軌道の20km下の軌道に打上げられます。その後タイミングを見計らって上空を征くA-Trainの先頭にえいやと入り込む算段です。各衛星の間隔はわずか数分。秒速8kmで飛行する衛星による編隊飛行はこの打ち上げのもう一つのハイライトとなります。
明日はもう1人の主役、H-IIAについて。
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