さてさて、待ちに待ったHTV+H-IIBロケットの打ち上げが迫って参りました。打上時刻は9月11日02時1分46秒。タイムスケジュールは延期もなく粛々と進行中です。打ち上げ中継と東京マグニチュード第十話、色んな意味で今夜は眠れない夜になりそうです。
このHTVとは、ISS(国際宇宙ステーション)まで荷物を運ぶ無人の輸送船。新開発された大型ロケットH-IIBによって打ち上げられ、ISSの10m下方にまで接近して停止。ISSのロボットアームに寄って拾われてドッキングします。ISSに荷物を搬入したあとは、船内にゴミを詰めて大気圏に突入させ船ごと燃やします。
特徴は色々あるのですが、なによりもとにかく大きな荷物を運べることがあげられます。ロシアやヨーロッパも立派な輸送機を持っているのですが、ハッチの開口部がちいさく、彼らの船では運べない荷物も多いのです。とくに今後スペースシャトルが廃止されると、ISSを維持するための大型部品はHTVでしか運べません。HTVがなければ将来のISSの運用すら危うくなるのです。
また宇宙空間で無人の宇宙機が有人施設であるISSに安全にアプローチできるのも大きな特徴です。萌衛星図鑑でも登場した「おりひめ・ひこぼし」で培った、ランデブー&ドッキング技術がHTVの基礎になっています。いわばHTVは彼ら二人の愛娘なのです。
HTVはISSへの補給のために年に1隻から2隻が建造され合計で6~7隻が打ち上げられる予定です。ISSの運用が2020年まで延長されるという話も出ていますから場合によっては10隻以上も建造されることになるかもしれません。
彼女はその大きな搭載量からキャパシティがとても大きく、様々な改修プランが検討されています。大気圏突入カプセルを搭載した再回収型、有人カプセルを搭載した有人型。さらにはHTVを何個も合体させた宇宙ステーション型までもが検討されており、今後建造されるHTVにはそれぞれ小改修が施され、これらの技術試験も平行して行われていくようです。毎年毎年、改良を加えられた新しい子が生まれ、それが確実に日本独自の有人宇宙船につながっていく。個人的には一番ほっとな宇宙船です。
1号機の打ち上げまであと二時間半。11年前軌道上でのランデブードッキング技術の礎を築いた「おりひめ・ひこぼし」は、いまだ軌道上をまわっています。今夜はHTVの誕生をひっそりと見守っていてくれることでしょう。
【JAXAインターネットライブ中継】
http://www.jaxa.jp/countdown/h2bf1/live/index_j.html
【sorae.jp公式Twitter打ち上げ速報】
http://twitter.com/sorae_jp
※H-IIB試験機1号機は無事打ち上げに成功。HTVも軌道に乗りました。HTVは一週間の飛行の後、18日にISSとのドッキングを行う予定です。関係者の皆様、お疲れ様でした!
こんにちわななしなさん
ライブは追いかけ損ねてしまった自分ですが
朝方のニュースで打ち上げ成功を知りましたよ、
おりひこの技術を受け継いだHTV
18日のミッションでもその技術を発揮して
良い結果を残してくれることを期待してますよー。
投稿情報: へかとん | 2009/09/14 01:44
こんにちは、へとかんさん。
HTVが無事上がったのをニュースで観ました。
仕事中にふと
(HTVがおりひめとひこぼしの子供なんだ・・・)
と考えたら、急にこみ上げる何かがありました。
本当に成功してよかったです。
それでは失礼します。
投稿情報: ななしな のっぽ | 2009/09/12 13:17