「はやぶさ」サウンドノベルアプリ発売から3日、有料アプリランキングで4位にまで入ることが出来ました。ご購入頂いた皆様、レビューを書いてくださった皆様、本当にありがとうございます。私の夏の思い出と言えばこのアプリ作業一色でしたので、心底良かったなあ・・・と思います。
http://www.hands-aid.jp/app/hayabusa/
twitterのハッシュタグは#hayabusaAppになりますので、ご意見ご感想、また動作トラブルなどありましたらコメントをお寄せください。
よろしくお願い致します。
※背景イラストを見たいというご意見を何点かいただいております。完全なギャラリーモードは有りませんけど、一応左下の四角ボタンでイラストのみの表示には出来るようになってます。お試し下さい。
さて本題。20世紀フォックス様の「はやぶさ」映画に出かけてきました。実はフォックス様の「はやぶさ」帰還1周年イベントにもご招待頂いていたのですが、当時レポートを上げることができす、大変失礼なことをしてしまいました(今回の写真は、その時のイベントで撮影したものです)。
「はやぶさ」映画は皆様ご存じの通り、3社3本の公開が予定されていまして今回のFOX版はその先陣を切る一本として注目を集めておりました。
この堤幸彦監督の作品は漏れ聞こえてくる他の二社に比べると、一番脚色がおとなしくいわばドキュメンタリーに近い映画だと思います。
ISASという組織を丁寧に追い、長い運用の間に現場から去る人、倒れていく人をもしっかりと捉えたストーリー。「はやぶさ」がトラブル→こんな事もあろうかと→トラブル→こんな(略…というシーンは確かにあるけど、それがメインの映画でなく、あくまで主人公は三億キロ離れた地球で「はやぶさ」と二人三脚を行うごく普通の人々。派手さこそ有りませんが、丁寧な取材にもとずいた地に足のついたセミドキュメンタリーとして安心して見ることが出来ます。
「はやぶさ(@20世紀fox)」ここが凄い!。
その1:演技が始まると川口先生と見分けがつかなくなる佐野史郎。
その2 :関係者が錯覚するほどの完成度を誇る、壁の汚れまで再現した管制室 ロケセット!
その3:監督+役者さんの執念の演技でピースの角度までISAS記録映像を完全コピー!
個人的に押したいシーンとしては、劇の初めより「はやぶさ」が打上がり軌道に乗るまでの一連の描写。全国を回っての講演会(アウトリーチ活動)、予算折衝、衛星開発、漁業権交渉、そして打上げ。こうした一連の流れは「はやぶさ」が有名になった現在でもあまり語られることの無かった部分です。そしてM-Vロケットの打上げのシーンも個人的にお気に入り。こうした緻密な打上シーンが国産映画で見られる様になったことは素直に喜びたいです。大画面で高画質で国産ロケットの打上げを鑑賞できる機会というのはいままで殆どありませんでしたから。
この映画はめでたく海外配給も決まったとの事ですが、NASAの広大なコントロールセンターでの打上げシーンを見慣れているアメリカ人が、内之浦の宇宙センターの泥臭い発射風景(ヘルメットを被った作業員が、作業服で指揮所に詰めている)を見ることになるとは何とも面白いなあと思います。
もちろん気になるところも無いわけでは無くて、脚色を控えめに事実を追うという選択肢は、複雑怪奇な「はやぶさ」のミッションとトラブル克服の経緯に対する理解を難しいものにしています。もちろんエンターテイメントですから最小限の解説は入りますが、予備知識の無い人には、なんかよくわかんないけど「はやぶさ」君が大変らしい、という事しかわからないだろうというシーンが何カ所か。多分予習しておかないとよく楽しめないだろうなという部分が無いわけではありません。
そのような方には是非とも「はやぶさ」サウンドノベルアプリをオススメしたいし(空気読めなくてすみません)、再生環境をお持ちでない方には(お持ちの方にも)是非とも「はやぶさ」君の冒険日誌(http://www.isas.jaxa.jp/j/enterp/missions/hayabusa/fun/adv/index.shtml)をオススメしたい。こうがく(光学or工学)、こうほう(広報or航法)など、事前に単語を耳に入れておくだけでも随分違いますので。
というわけで20世紀フォックス「はやぶさ」。
お近くの映画館へ是非どうぞ。
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↓以下ネタバレ
ps・ひとつだけネタバレをしたいと思います。「はやぶさ」がイトカワミッションを行っているときのプレスルームの様子です。
このシーンではプレスルームにいる記者がみんなグロッキーで床に寝ています。それはなぜか?
「はやぶさ」の履歴を見て頂ければ分かりますが「はやぶさ」の5度に渡るイトカワ着陸ミッションは2005年11月のたった一ヶ月の間に行われています。さらにはイトカワに実際にタッチダウンを行うときには二泊三日くらいの長丁場。そのうえ、プレスルームは相模原宇宙科学研究所内にあります。
つまりは「はやぶさ」のタッチダウンミッションを追いかけるにはプレスは一ヶ月以上の間に相模原、東京間を何往復もしなければならず、更にはいつ出てくるとも知れない成功や失敗、トラブル発生などのニュースを時差なく東京に伝える為には泊まり込みしかなかったのです(定時記者会見はありますが、時によって速報が入ってくるのでのんびり出来無い)。
実はこの件は日本の宇宙開発に小さな転機とも言えました。マスコミは宇宙を理解しないとはマニア間で良く出てくる小ネタですが、「はやぶさ」ミッション時はプレスが宇宙研に泊まり込みなんどもなんどもなんどもなんども丁寧なレクチャーを受け続けたため、これが(一時的ですが)宇宙記事の質の底上げに繋がりました。そして泊まり込みで「はやぶさ」を追っかけていくわけですから、いつしか現場の記者が「はやぶさ」に感情移入していく、という現象が有ったことも確か。雑魚寝の裏にはそうした事情があったのです。
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