今年も筑波宇宙センターの一般公開に出かけて参りました。肌寒くはありましたが雨も降らずなかなかのイベント日和。天候にも助けられ昨今のJAXAのメディア露出も手伝ってか今年は例年にない人出だったように感じます。「宇宙兄弟」に絡めた小ネタも何点か見かけることが出来ました。
しきしま的な目当てはなんと言ってもHTVに再回収能力を持たせた「HTV-R」です。長いこと検討されていましたが、ようやく予算が付きプロジェクトが動き始めました。筑波の会場で見かけたのは、解説用のモックと、精巧に作り込まれた模型が一つだけという寂しいもの。ですがこれまで文字通りペーパープランでポスターの中だけの存在であったHTV-Rがようやく現実のものとして動き始めた実感があったのはとても嬉しいものです。
以前にもお話しした通りHTVは他国の干渉を受けるリスクを最小限に抑えるため、安直に輸入に頼ったりせず出来る限り自国で開発できるものは開発してその技術力と経験の蓄積を計ってきました。もちろんHTV-Rについても更に未来を見越した取り組みがなされています。HTV-Rは人間が乗ることはできませんが、それでもアポロのリエントリカプセルよりも大型の帰還モジュールを採用するなど、将来の有人宇宙船につながる意欲的な取り組みが随所に組み込まれています。調布の調布航空宇宙センターではすでにカプセル検討モデルの風洞実験や着水試験なども始まっているとのこと。
実機を目にするのはまだまだ先の話ですが、将来が楽しみな宇宙機の一つです。
---<参考>-----------------
■HTV-R検討資料(pdf)
・宇宙ステーション補給機(HTV-R)検討状況
■HTV-R寄付金(有人宇宙船/有人打上げロケット)
・JAXA寄附金ホームページ