★ネットの海を「はやぶさ」プラモの反応を伺いながら漂っていると、やはり皆さん同じ悩みを持たれているようです。つまりは「はやぶさ」を何色で塗るべきか?そうですね。わたしも気になります。
正攻法でいけばプラカラーの金色ですよね。しかしながらあのプラカラー(金)のつぶつぶ感はやはり気になりますし、そもそも「はやぶさ」は金色に塗られているわけでもありません。ならばそこを少しでも工夫を重ねリアルなおべべを着せてやりたいというのがオトコゴコロなるものではないのでしょうか。
そもそもなぜ人工衛星は金色なのでしょうか。じつはあの金色、断熱材(サーマルブランケット)の色なのです。カプトンと呼ばれるフィルムのような素材(半透明の黄色)にアルミを蒸着させたもので、これを10層以上にも重ねてあの外皮が出来上がります。人工衛星は体の熱を逃がさないため、もしくは太陽の熱を取り込まないため、何層もの厚着をしているのです。またこの人工衛星達の服が、たんなるマジックテープで留められているだけというのも衛星を見学すると必ず話題に出てくる鉄板なネタ。
ではこのサーマルブランケットの構造のままに塗装で再現してみてはどうか。良いアイデアですね。下地に銀を置き、透明な黄色や赤を重ねていって理想の色を作る。むしろ私がやりたいくらいですが、これは設備を持っていない人にはどうにも厳しい方法なのが残念ですね。
ならば塗装に頼らず衛星達と同様に素材を貼ってしまうのはどうか。これもありです。衛星の表面はわしゃわしゃフィルムが貼ってあるのでしわがよっているものですし、うまくやれば良い雰囲気がでるかも。がちなモデラーさんだとゴールドミラーフィニッシュ(amazon) あたりですかね。伸縮性に優れ曲面でも貼れる優れものだそうです。金属的な光沢も申し分無しです。外しワザとしてたばこの箱のフィルム、と言う話も聞きます。ただこれはたばこに縁のない自分としてはよく分かりません。
基本的に宇宙機は塗装というものをしません。つまりほとんどが素材の色のままなんですね。そこを頭に入れて、アルミホイルやお菓子の銀紙を使って素材感を楽しんでみるもの一興かと思います。実物の細かい資料なんか手に入らないのですし、自由に遊んでみても良いのではないのでしょうか。
そうそう、でもどうせ手間暇かけて貼るのでしたらいっそのことこれ(amazon) などはいかがでしょうか。宇宙用途ではありませんが実物と同じ機能をもった”本物”ですよ。
★では本日もさくさく進めましょう。10日で作る「はやぶさ」探査機_第六夜目。
【衛星本体】マスキングにマスキングを重ね、ココまで来ました。まだ塗り終わってはいませんがようやく雰囲気がでてきました。塗色はつや消しの白、黒、銀になります。エンジン部が妙にぎらぎらしてますがこれは後述。バラバラの状態で塗るか、多少組み立てて塗るか難しいところですね。しきしまの場合はこのあとも部品に穴開けたりの加工が残ってるので、多分最後の最後までバラバラだと思います。
あと写真見て気づきました。本体の天井部分[11]の塗り分けを間違えています。後端に三つの▲、ここは後ろから見える垂直な部分のみ黒。斜面は黄色(金色)のようです。ここはキセノンの注入口・・・と聞いてますが確認が取れてないので誰か正解を教えてください。
【エンジン部】いわずとしれた「はやぶさ」のイオンエンジン[15]。従来の化学エンジンの10倍の効率を誇るこのエンジンの存在がイトカワへの長躯の航海を可能としました。お陰で従来ならば600kgの燃料が必要なところを「はやぶさ」はわずか60kgでまかなうことが出来ます。ただし高い効率の反面、このエンジンは瞬発力が全くありません。3基のエンジンを全力運転してもその力は一円玉を持ち上げる程度の力しかありません。「はやぶさ」はこのエンジンを週五日、3年というレベルで延々と運転することでようやく必要な加速を得ることが出来ます。
んでこのエンジン。実物は蛇腹で動くようになっています。しかしながらキットではそのモールドがオミットされてるので時間の許す範囲で手を入れました。精密な蛇腹はあきらめて数本スジを作った程度ですけど、それでもぐっと良くなったような気がします。蛇腹部分はビデオテープのラベルのシールを細切りを巻いて作りました。瞬間接着剤を流し込んで補強しています。
あーあとは銀ですね。手間とお金かけずに作ろうと思ってましたが1カ所くらい、やっぱり良いとこ見せたいと思って、ちょっと変わったスプレーを買ってきたんですよ。「メッキ感覚」ってやつ。塗ると凄いギンギラになるんです。でも使うのが難しくて、乾かないし、上からマスキングテープとかも駄目なようで、あっという間に塗膜がぼろぼろになってしまいました。ので、いまはヤスリで全部削って普通の銀を塗ってしまってます。一度塗ったらもう触らない部分に、最後の最後に吹くのであればとても綺麗です。
【スラスタ】順番をすっとばしてスラスタ[01]の加工も始めます。姿勢制御エンジン、もしくはスラスタ、または化学エンジンと呼ばれる、ガスジェット式の小型エンジンです。「はやぶさ」の向きを変えるのに使います。機体を取り囲むように合計12基を配置、これがA系B系の2系統に分けられて一系統が駄目になった場合でも、残ったもう1系統でミッションが継続できるようになっています。姿勢制御スラスタはトラブルを抱えたリアクションホイールの代わりに「はやぶさ」をイトカワへのタッチダウンへと導きましたが、残念ながら地表への不時着の巻き添えとなり全損、A系B系とも全て使えなくなってしまいます。メインエンジンであるイオンエンジンよりずっと力が大きく、瞬発力に優れたこのスラスタを喪失したことが「はやぶさ」の地球帰還を大変に難しいモノにしています。
キットではノズルの穴がふさがっているので、デザインナイフとピンバイス(ドリル)で穴を開けています。最後は黒で墨入れして穴の奥までは見えなくなりますから、表面だけ少しへこませれば十分です。部品は全部切り離してしまわずに、ランナーに付いた状態で穴開け加工をした方が便利です。12個あるので本体の塗装に飽きたときに一個一個と仕上げていくのがよいでしょう。
明日には本体を仕上げたいです( ̄Д ̄)ノ
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